不眠に酒は厳禁!病院の睡眠薬こそ爽やかな寝覚めにオススメ

もしあなたが不眠に悩んでいて、眠るのにお酒に頼りがちなら、病院でもらえる睡眠薬のほうがまだ体への負担が少なく、翌朝の目覚めも爽やかです。
薬局で買える睡眠改善薬もありますが、寝付く効果はともかく、翌日の眠気の残り具合で考えると、やはり病院でもらえる睡眠薬の方が眠気は残りにくいです。
この記事では、
・ お酒が不眠に悪い理由
・ 薬局で買える睡眠改善薬の効き時間とその特徴
・ 病院でもらえる睡眠薬の効き時間とその特徴
・ それでも病院に行けないあなたへ、おすすめのサプリと漢方薬
についてまとめました。

●酒は睡眠の質を悪くし、体に負担がかかる


・アセトアルデヒドは覚醒作用がある

アルコールの代謝生産物であり、二日酔いの原因であるアセトアルデヒド。これが睡眠にも良くない効果をもたらします。覚醒作用があるため、アルコールが分解されてアセトアルデヒドが増えた時に、眠りの質が悪くなってしまうのです。

・利尿作用で途中起きてしまう

睡眠の中断は睡眠の質に影響します。よほどのことがない限り、酔って寝てもその場でおもらししてしまう人は少ないはず。よっこらしょと起きてトイレに行くことになります。これが睡眠を中断し、睡眠の質を悪くしてしまいます。

・アルコール依存症の危険がある

毎日寝るためにお酒を飲むと、そのうちアルコールに耐性ができて、寝るための酒量がどんどん増えてしまいます。そのうち、寝るためにアルコールを飲まずにいられなくなってしまいます。お酒が手放せなくなったら、それはもうアルコール依存症です。

・肝臓へ負担がかかる

酒量がすぎれば肝機能が悪くなります。耐性ができてお酒を飲みすぎるようになれば、なおさらです。γ-GTPの値が高い方は、寝るためだけにお酒を飲むようなことは決してしないでください。

・睡眠時無呼吸症候群のリスクあり

アルコールは筋肉を弛緩させます。そのため、酔って寝るといびきを書くことが多いのです。また、この弛緩作用のため、睡眠時無呼吸症候群を悪化させるので、睡眠の質が悪化します。

●薬局で買える睡眠改善薬は眠気が残りやすい

ドリエルに代表される、抗ヒスタミン剤の一種、ジフェンヒドラミン塩酸塩を使った睡眠改善薬が薬局で購入できます。ただ、このジフェンヒドラミン塩酸塩は効き目が長く残りやすく、翌日に眠気が残る恐れが高いです。
薬の効果がある時間は、薬の血中濃度が最高時の半分になるまでの時間を1つの指標として表スことが多いです。ジフェンヒドラミン塩酸塩の半延期は、なんと12時間です。これは病院でもらえる各種睡眠薬と比べると、かなり長いです。
また、ジフェンヒドラミン塩酸塩は、常用するとすぐ効果がなくなるという報告もされています。長期的に不眠に悩まされている人には不向きです。

●病院でもらえる睡眠薬(ドリエルよりキレがいいもの)

不眠が長く続く方は、やはり病院の薬に頼るべきです。ちなみに、なかなか寝付けない(入院障害)だけでなく、
・ 夜中に2回以上目が覚めてしまう状態(中間覚醒)
・ 普段より2時間以上早く目が覚めてしまう状態(早朝覚醒)
・ ぐっすり眠った感じがない状態(熟眠障害)
これらが1ヶ月間、週2回以上続く人も不眠症に入ります。
睡眠薬は心療内科や精神科で処方してもらえます。メンタルの病院に行くことに抵抗がある人は多いかもしれませんが、アルコールやジフェンヒドラミン塩酸塩に頼るより遥かに体に負担が少なく、よく効き、翌日の眠気が少ないです。
以下に、ジフェンヒドラミン塩酸塩より半減期が少ない代表的な睡眠薬を挙げました。基本的に、どれもアルコールとの併用はしてはいけません。

【寝付きを良くする系:超短時間型】

・マイスリー
半減期は1.78~2.30時間です。耐性がつきにくいので、ある程度長期服薬が可能です。しかし、飲んですぐ寝ないと(薬がきいたまま活動すると)、翌日目覚めた時、その活動内容を全く覚えていないことがあります。これを健忘といいます。

・ハルシオン
半減期約2.9時間です。早くすぐ効くのが特徴です。これも飲んですぐ寝ないと健忘が起こりえます。

・アモバン
半減期は3.94時間です。耐性がつきにくいためある程度長期服薬が可能です。服用すると口の中に苦味を感じる人もいます。やはり、飲んですぐ寝ないと健忘が起こりえます。

・ルネスタ
半減期は5時間です。早く効いて、耐性がつきにくいためある程度長期服用できます。これも服用すると口の中に苦味を感じる場合があります。飲んですぐ寝ないと健忘が起こりえます。

【途中で目が覚めてしまう系:短時間型】

・レンドルミン
半減期は4.4時間です。不安や緊張を抑えてくれる作用もあります。飲んですぐ寝ないと健忘が起こりえます。

・リスミー
半減期は10.5時間です。他の睡眠薬に比べてやや効果がマイルドだと言われています。

【ぐっすり長く寝たい系:中時間型】

・サイレース
半減期は約21.2時間です。しかし飲んですぐ血中濃度が低下するため、実質の半減期は7時間ほどと言われています。不安を抑えてくれる作用もあります。

●それでも病院に行けないあなたに、薬局で買えるもの


薬局で買える睡眠に関するサプリメント・漢方薬を紹介しておきます。
人目や家族の目があって、どうしてもメンタルの病院に行けないあなた。または、激務過ぎてそもそも病院に行く時間が取れないあなた。参考になれば幸いです。

【サプリメント】

効果が実証されている成分のサプリを挙げていきます。ただ、病院の薬に比べてその効果は遥かに弱いことはご承知ください。

・GABA系
GABAは眠りに入りやすくし、眠りの質を良くします。坑ストレス作用とリラックス効果も確認されています。
GABAを経口摂取しても血液脳関門を通らないので、直接は脳に作用しないのですが、これまでの研究では上記の効果が確認されているため、その作用機序は不思議に満ちています。
また、GABAはストレスを感じた後にとるより、ストレスを感じる前にとっておく方が高ストレス効果を期待できるようです。

・テアニン系
テアニンは睡眠の質を改善します。睡眠の途中で起きてしまう時間が減り、日中の眠気が減るなどの効果があります。
リラックスしている時に出る脳波、アルファ波を出させる作用が確認されていて、リラックス効果もあります。ドーパミンを出させる作用もあり、心地よさを感じさせる効果があります。

・グリシン

グリシンは、寝付きが良くなり、睡眠の質が上がるため、日中の眠気が改善されます。これは、グリシンが末梢血管の血流を増加させることで深部体温(低くなると寝付きやすくなる)が低下するためです。

【漢方薬】

漢方薬は、サプリメントよりは強い効果が期待できます。しかし、症状や体質にあった種類の漢方薬を選ばないと狙った効果が期待できません。また、漢方医のいる病院で処方してもらったほうが値段が安く、また、体にあった漢方薬を選んでもらえる可能性が高い事は言っておきます。

・柴胡加竜骨牡蛎湯
精神的不安があり、便秘で高血圧から来る不安・不眠向けです。体力がある方の人間によいとされています。

・桂枝加竜骨牡蛎湯
疲れやすく、神経過敏で興奮しやすい不眠向けです。体力がない方の人によいとされています。

・抑肝散(あるいは抑肝散陳皮半夏)
神経が高ぶってイライラしている不眠向けです。体力が普通程度の人によいとされています。液体としてアロパノールの名前でも市販されています。陳皮と半夏が入っているものは、やや体力がない人向けで、消化器の弱さにも効きます。

・酸棗仁湯
心身が疲れて精神的な不安がある不眠症向けです、体力がない方の人によいとされています。ナイトミンの名前でも市販されています。

・加味逍遙散
のぼせ・肩こり・疲れやすさ・精神不安がある不眠向けです。体力がない方の人によいとされています。代表的な婦人薬のひとつなので、体質に合うなら生理痛やPMSにも効果を発揮します。

・加味帰脾湯
心身が疲れて顔色が良くなく、貧血気味で精神的不安がある人向けです。体力がない方の人によいとされています。

・甘麦大棗湯
神経過敏で驚きやすく、時に生あくびが出る不眠向です。体力がない人によいとされています。甘く飲みやすいので、子供の夜泣きに使われることもあります。悪夢がひどく眠れない人向けに出されることもあります。

●まとめ


・ 不眠に寝酒は厳禁、睡眠にも体にも悪い
・ 睡眠改善薬はすぐ効かなくなる
・ 病院の睡眠薬のほうが優秀
・ どうしても病院が嫌ならせめてサプリが漢方薬を
眠れないのは心身の余裕をなくし、病気にかかりやすくなったりメンタルの調子を崩したりすることに繋がります。眠れずに悩んでいるあなたは、早急にお酒以外の対策を考えましょう。できればメンタルの病院に行ってください。

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